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酒国漫遊記(Part 9)

2009/12/17 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28

【Sake in Korea】
日本では若年層の消費量が減っている日本酒ですが、アジアの中でも急速にその人気を上げているのがお隣韓国です。
アジア向けの輸出実績で1996年、2001年、2008年で推移を比較すると、
台湾 5,827kl → 1,731kl → 1,626kl
香港 933kl  → 913kl → 1,213kl
中国 133kl → 129kl → 482kl
韓国 29kl → 82kl → 1,529kl
と韓国の伸びの大きさがお分かりいただけると思います。いまや輸出数量はアメリカ3,843kl、台湾に続いて第3の輸入大国になりました。特に、ここ5年ほどは前年対比150%以上の増加が続いています。
韓国の特徴は、若い層が日本酒をスタイリッシュでトレンディなものとして愉しんでいること。富裕層が多いソウル・江南の狎鴎亭洞や新沙洞はもとより、「若者の街」の新村や大学路にまで、日本酒を扱う日本式の居酒屋が大幅に増えているのです。
酒税の安さや、ビールと伝統的な焼酎との中間ぐらいのアルコール度数で、韓国の料理、食材にも合うという点も人気を支えている要素と考えられていますが、大きな背景と言われているのが日本大衆文化の開放。実は1996年から段階的に始まり、本格的なものは2004年からのことですから、つい最近の出来事です。
サッカー日韓ワールドカップをきっかけにしたり、日本のドラマやアニメ、J-POPなどを楽しむ日本文化マニアの層が厚くなったことも、日本酒輸入が急増した一つの要因だと見られています。
私自身も日本人トップアーティストのコンサートツアーのサポートや、女性雑誌の現地版発行などのお手伝いの場面で何度も見ていますが、東アジアにおける日本文化への欲求やスピードは、私たちが相手のことを知ろうと思う何倍も強い力を感じますし、きちんと評価してもらえるように
姿勢を正さなければと思い至らせてくれること、しばしばです。
日本でも韓流スターを多くの人が知ったのはごく最近だと思いますが、こういうきっかけから近い国々でそれぞれの理解者が増えること、日本ファン、日本酒ファンが増えることをとても嬉しく思っています。

日本酒造組合中央会ホームページ(日本酒の海外輸出量が載っています。)
http://www.japansake.or.jp/sake/data/seat_07.html
国税庁ホームページ
このほか日本酒だけでなくて、ワイン、ビールなど日本の酒類の詳しい統計データが載っています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/shiori/2008/siori.htm

photo
ここは日本?いえいえ、「若者の街」の新村。日本酒を扱う日本式の居酒屋が大幅に増えている。

 



コラム作者:プロフィール

 入江啓祐(いりえ けいすけ)
 1991年日本航空入社
 国内線・国際線の本社部門通算で10年間、全社キャンペーン・
 プロモーション企画を担当。
 日本酒を通じて世界に日本文化を紹介する「JAL Sake Project」で
 全国350社を超える酒造会社や関係省庁とのタイアップ企画を実現。
 1999年から3年間はミラノ支店に勤務。

 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。
 日本と海外を繋ぐビジネスと国際物流コンサルティングを
 行いつつ、銀座にて会員制日本酒サロンを運営中。
   http://nuit-ginza.jp




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