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酒国漫遊記(Part 21)
2010/04/06 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28
【龍馬の酒】
今年は大河ドラマの主人公、坂本龍馬がブームの年ですね。かくいう私も、今月の某航空会社の機内誌で「高知特集」をお手伝いして、手タレ(手だけのタレント)として数カット登場していますが、昨年夏に結構デープな取材旅行に同行をしてきました。
京都、長崎でも龍馬とお酒にちなむ話は沢山ありますし銘柄も豊富。でも、龍馬の酒として最初に名前が挙がるのは、やはり土佐。その中でも「司牡丹」。龍馬の人気を確立させたといっても過言ではない司馬遼太郎の「龍馬がゆく」には数え切れないほど日本酒を飲むシーンが描かれていますが、勿論そこにも登場します。
「ささ、一つ、一つ」と、馬と為は注いでまわる。
酒は、土佐の佐川郷で吟醸される司牡丹である。
土佐人ごのみの辛口で、一升半のんでから口中にやっとほのかな甘みを生じ、いよいよ杯がすすむという酒豪用 の酒である。出典: 竜馬がゆく(司馬遼太郎著)
数ある銘柄の中でも最も人気があるお酒の一つが「船中八策」です。超辛口の純米酒は、本当にスッキリとしていて、欧米の方に人気の高い銘柄です。このほかに司牡丹では、酵母をソユーズに乗せて国際宇宙ステーションに送って培養した「宇宙酵母」を使ったお酒や、特産の柚子を日本酒ベースのリキュールなどもあります。
高知は海に開けている印象ですが、実際は山がちの国で物流網が細く、また温暖な気候のために色々な野菜や果実の生育・成熟が早い代わりに、腐敗も早いという難点があって、なかなか東京で紹介されていませんが、現地で食べる食材はどれも本当に味が濃く、日本の原風景ともあいまって、とても印象深いものです。もちろん酒豪伝説も沢山あり、新鮮な漁師料理も味わえますので一度訪ねられることをお薦めします。
司牡丹酒造ホームページ http://www.tsukasabotan.co.jp/
コラム作者:プロフィール
入江啓祐(いりえ けいすけ) 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。 |
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