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酒国漫遊記(Part 6)

2009/12/13 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28

【最高の町づくり】
東京から飛行機だとわずか1時間の富山市のもっとも海沿いに岩瀬という町があります。
江戸時代、北前廻船の寄港地として豪商が軒を連ねた由緒ある町です。
この町の凄さは、おそらく大半の皆さんの想像を超えています。僕も上手く伝えられません。
が、一言で言うと「メディチ家」もかくやという気概をもった蔵元が描く理想が現在進行形で次々と
具現化しています。
伝統家屋を若い大工や左官、木工、鍛鉄職人達が一つ一つ丁寧に再生し、そこにガラス工芸、陶器、
漆器、彫刻などの若いアーティストが移り棲み、切磋琢磨しながらレベルを急速に上げて活躍の場が皆揃って拡げて、東京や金沢の百貨店やギャラリーで個展ができる位になっています。
美味い蕎麦屋「丹生庵」のご主人は、朝4時からその日の分の蕎麦を打ち、一日の仕事を終えたらプロはだしの腕前でグランドピアノを奏で、その調べが通りに心地よく響きます。
子供たちが自分で土を捏ねて再生した広い、広い廻船問屋の蔵の中には日本最高レベルのお酒
(日本酒だけでなくワイン、シャンパンも)を有する酒商田尻本店。このストックは必見。
最初は、蔵元の思いで小さく始まった町づくりが、行政や銀行、電力会社なども突き動かし街のトーンが訪ねる度に揃っています。
芸術家達に格安で制作アトリエ&家を提供し、世界中から訪れる第一線人々のアドバイスを直接受けられる環境を与え、多くの地方が衰退し人のつながりが薄れる中、町のあちらこちらに広場や宴会が出来るスペースを配置しては、世界や日本の一級食材を味あわせて、知覚と知識を高める。そんなことが毎日のようにおこっている町です。

ちなみにお酒の名前は「満寿泉」。今、日本が誇る最高レベルの逸品の1つ
http://www.masuizumi.co.jp/
09年11月18日にロンドンの国会内で行われた日英修好150周年記念ランチの乾杯にも
「浦霞」とともに使われました。

街づくりのようすはこちらから
http://www.wagamachigenki.jp/suisho/su_08_0702_01.html

photo
富山市・岩瀬にある桝田酒造店

 



コラム作者:プロフィール

 入江啓祐(いりえ けいすけ)
 1991年日本航空入社
 国内線・国際線の本社部門通算で10年間、全社キャンペーン・
 プロモーション企画を担当。
 日本酒を通じて世界に日本文化を紹介する「JAL Sake Project」で
 全国350社を超える酒造会社や関係省庁とのタイアップ企画を実現。
 1999年から3年間はミラノ支店に勤務。

 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。
 日本と海外を繋ぐビジネスと国際物流コンサルティングを
 行いつつ、銀座にて会員制日本酒サロンを運営中。
   http://nuit-ginza.jp




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