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酒国漫遊記(Part 26)
2010/06/27 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28
【日本酒の品評会】
日本酒の評価を行うコンテストで最も権威あると言われているものは明治44年以来の伝統がある「全国新酒品評会」。
酒類総合研究所(旧・国税庁醸造研究所)が主催し、その年の吟醸酒原酒の出来栄えを競う品評会で唯一全国規模で審査されています。
ここで金賞となると「金賞受賞酒」といったラベルが貼られるなど販売の大きなセールスポイントとなっているようですが、実際に評価を受けたお酒が市販されることは殆どありません。
品評会に出されるお酒は、仕込みの中で最も優れた部分だけが斗瓶に囲われて出品されます。
その出品したお酒と同じタンクで仕込まれたお酒は「金賞受賞」と謳って良いことになっていますが、タンク全体の酒質が必ずしも同じではないので、受賞したお酒を直接飲むことができる機会は残念ながら殆ど無いと言ってよいでしょう。とはいえ、その蔵の技術力を測る指標になりますし、良質なお酒を選ぶ基準となることはいうまでもありません。
一方で、ほぼ市販されているお酒を用いて評価を行っているのが、東北清酒鑑評会。製造から半年ほど貯蔵・熟成したお酒を対象に評価が行われます。
「吟醸酒」と「純米酒」の部門があり、良質の市販清酒を製造するための技術の向上につなげるという観点で、品質評価を行うことが目的のため、新酒評価とは別に貯蔵管理や仕上げの技術も求められます。
勿論こちらの入賞酒も限定数量ですし、東北6県のお酒に限られますが、より手に入りやすいものになっています。若し良いお酒を探されている時には、参考にされてみては如何でしょうか?
またロンドンで行われるInternational Wine Challengeのsake部門の審査は各国のワイン同様に、ブラインド・テイスティングを日本人だけではなく、さまざまな国籍のジャッジが行っているので、ワインを勉強されている皆さんには、より判りやすいものかもしれません。
平成21年東北清酒鑑評会プレスリリース
http://www.nta.go.jp/sendai/kohyo/press/h21/kanpyokai/index.htm
2010年 International Wine Challenge sake部門審査結果
http://www.sakesamurai.jp/iwc10_medal.html
コラム作者:プロフィール
入江啓祐(いりえ けいすけ) 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。 |
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