レビューコーナー
酒国漫遊記(Part 14)
2010/01/15 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28
【みりん。飲みます。】
みりん。そうです。巷のスーパーマーケットに並ぶ調味料。でも殆どのものは「本みりん風」とか「みりん風調味料」「発酵調味料」と小さく表記があるはず。これらは「本みりん」に似せて作られていますが、製法や成分は全くの別物です。
では本物の「みりん」はどのように造られているかご存知でしょうか?本みりんはもち米と焼酎またはアルコール、米麹が原料の醸造酒で40〜60日かけて糖化・ 熟成させます。このあいだに米麹中の酵素の働きでもち米のデンプンやタンパク質が分解されて各種の糖類、アミノ酸、有機酸、香気成などが生成され、本みりん特有の風味が形成されます。アルコール度数はだいたい14%前後。
実は本みりんの中に薬草を浸したものが「養命酒」です。歴史的には清酒が江戸時代に確立する前までは、甘みのある高級酒だったみりんも、今では伝統的な造りをする蔵は日本でも10社を切っていると言われています。そんな中でも最も伝統的で、高い評価を得ているのが岐阜県にある白扇酒造が作る「福来純」。
原材料は地元岐阜県のもち米2種類に、仕込む焼酎も米焼酎とこだわり、さらには通常の本みりんの2倍、日本酒の約3倍の90日間仕込み、熟成に3年かけます。当然、普通に飲めます。というよりも・・・もの凄く美味しいです。
もち米のため搾りの時も粘りが強く大変な作業になりますし、粕の量も日本酒より多く、場合によっては仕込みの半分ぐらいは出てしまいます。(日本酒の粕は重量比で仕込んだお米の25%ぐらいです。)
そんな贅沢で貴重な滴りが福純来の「本みりん」なのです。勿論飲むだけでなくて、お料理使われれば、その違いは瞭然です。また最近の人気はこの本みりんにつけた梅酒。こちらも機会があったら是非お試し下さい。
白扇酒造ホームページ http://www.hakusenshuzou.jp/index.html
みりんを使ったレシピ http://www.honmirin.org/index.html
コラム作者:プロフィール
入江啓祐(いりえ けいすけ) 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。 |
PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28