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酒国漫遊記(Part 17)
2010/03/20 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28
【こんぴらさんのお酒】
スターの話題性や露出も増えて毎年毎年人気が上がっている歌舞伎。毎年四月に日本最古の芝居小屋として国の重要文化財になっている金丸座で行われる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、チケット入手が難しい人気の興行です。
この歌舞伎をご覧になられる方はお気づきになられるとおもいますが、芝居小屋の前には、地元のお酒の菰樽が積まれています。昔から歌舞伎の中でお酒とつながるシーンは沢山ありますが、日本の伝統美・様式美には相通ずるものがあります。
一般に香川県にはあまり「酒どころ」という印象がないかもしれません。しかし、琴平で醸される「悦凱陣(よろこびがいじん)」は全国の日本酒通が一目置く銘酒なのです。蔵のつくりは江戸時代の商家まで、からくりを設けた屋敷です。
「梧陽堂」と呼ばれた離れ座敷には、幕末の志士高杉晋作が潜伏し、幕史がやって来た時 咄嗟に酒樽に身を隠して難を逃れたという逸話も。かたくな に手造りにこだわる「悦凱陣」は大量生産をしないため地元四国でも20店の地酒専門店でしか、販売を許されていないほどです。
蔵元のお母様が毛筆でしたためられているラベルは、剛健で正直に、きちんと醸されたことを記す何よりの証です。
有限会社丸尾本店 香川県仲多度郡琴平町榎井93
コラム作者:プロフィール
入江啓祐(いりえ けいすけ) 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。 |
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