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酒国漫遊記(Part 25)

2010/06/06 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28

【岐阜のお酒】
岐阜県内に昔ながらの特徴を残した町が沢山あります。飛騨高山は勿論有名ですが、弁柄格子の町並、歩道には川石が敷かれ、たくさんの水路が流れる郡上八幡。
「うだつが上がらない」の語源で、旧家の防火壁から発展して富の象徴になった「うだつ」が日本一残っている美濃市。栗の名産地中津川、大垣のお花屋敷や瑞浪市、岐阜市などにも旧家や旅館が多く残されています。
木曽三川(木曽川、長良川、揖保川)の良質な水に恵まれ、各地域に銘酒があります。
中津川にある「鯨波」は標高600メートルの素晴らしい水が湧く高原にある酒蔵です。
蔵元が杜氏として1人で全てを造っているため生産量は限られますが、岐阜県の酒造好適米「ひだほまれ」に岐阜の酵母を用い、地元に拘った造りをしている評価が高まっている銘柄です。
同じく中津川にある「三千櫻」。和食、洋食、中華どれにも相性のいいお酒で、自社の山から引いた天然水を仕込み水に自家栽培と契約農家で作った低農薬のお米を使って醸しています。
美濃加茂市にある「御代櫻」。木曽川の伏流水は良質の軟水で、口当たりのよい優しいお酒が醸されます。大化の改新よりも前から大和朝廷に水を献上していたという史実が残るほど良い水に恵まれた地の酒です。
鵜飼いで有名な長良川の水で仕込む小町酒造の「長良川」は蔵の中に環境音楽を流す、「静音醗酵仕込み」が行われています。
また独特の発泡日本酒として人気があるのは、養老の滝で有名な養老町にある玉泉堂酒造の醴泉「純米吟醸」活性にごり本生。強い炭酸と、独特の甘さを感じる口当たりは食前の発泡酒として最適です。
飛騨牛に合う濃い味の酒が多い高山では「九寿玉」や国選定重要伝統的建物群保存地区の風情を高めている「深山菊」「山車」「飛騨自慢」など7つの蔵元が集まっています。このほかにも岐阜を代表するお酒として長期熟成酒でご紹介した「達磨正宗」の白木恒助商店や、味醂でご紹介した「花見蔵」の白扇酒造も外せません。
昔懐かしい日本の風景が残ることで、映画のロケなどに選ばれることも多いようです。
一度足を運んでみられては如何でしょうか?

「鯨波」恵那醸造  http://www.kujiranami.jp/
「三千櫻」三千櫻酒造 http://michizakura.jp/
「御代櫻」御代桜醸造 http://www.miyozakura.co.jp/
「長良川」小町酒造  http://www.nagaragawa.co.jp/
「美濃菊」「醴泉」玉泉堂酒造 http://www.minogiku.co.jp/

photo

 



コラム作者:プロフィール

 入江啓祐(いりえ けいすけ)
 1991年日本航空入社
 国内線・国際線の本社部門通算で10年間、全社キャンペーン・
 プロモーション企画を担当。
 日本酒を通じて世界に日本文化を紹介する「JAL Sake Project」で
 全国350社を超える酒造会社や関係省庁とのタイアップ企画を実現。
 1999年から3年間はミラノ支店に勤務。

 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。
 日本と海外を繋ぐビジネスと国際物流コンサルティングを
 行いつつ、銀座にて会員制日本酒サロンを運営中。
   http://nuit-ginza.jp




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