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人と人との出会いから伝わる1本のワインの価値(Part 1)

2009/11/04 PART 01

今年4月、ワイン最大手メルシャン(株)の子会社として設立された新しく小さな会社に、私は出向となりました。この会社は、メルシャングループ各社のワインの仕事のお手伝いをする会社で、一部、新しいワインを探す仕事も請け負っています。

それまで私は11年間、本社マーケティング部門で国産や日本のワインの仕事を主にしてきましたので、この会社で輸入ワインばかりの実務などをすることは新鮮な反面、不安もたくさん。

早速取りかかりとして、グループ会社向けのワインを探していたところ、ご縁を通じて紹介されたのが、なんと南アフリカの1本。
既成概念から「南アフリカのワインは安価なものが多いので少し高級なものだと難しいのでは…」と思ったものの、『神の雫』の原作者が試飲し評価したという話を聞き、そのワインの紹介者に会ってみることにしました。

紹介者のMさんはワイン関係者では無いのですが、以前ビジネスで知り合って以来10年以上になる方が、実は南アフリカにワイナリーを所有していることを知り、そのワインを試飲したところ、ワイン愛好家でもあるMさんはとても感銘を受け「いつか日本に紹介したい」とオーナーと共鳴、アムステルダムのオーナー宅から2本のワインを授けられてきたそうです。

そしてMさん宅のワインセラーで約2年たいせつに保管されてきたそのワインが、ようやく日の目を見る日が…。

ワイナリーの名は「Napier(ネイピア)」、ワインの名は「Red Medallion(レッド・メダリオン)」。Mさんお知り合いの現オーナーが、1989年、4世代に渡ってブドウ畑だった土地を購入、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロといったボルドー系品種に植え替え、ボルドーワインに負けないワイン造りを目指し新たに歩み始めました。レッド・メダリオンは同ワイナリー最高峰のボルドーブレンドによる赤ワインで、自ら「メダリオン」と呼ぶことで最高のワインを造ることを喚起しようという姿勢に由来しているそうです。

いよいよ関係者一同による試飲の日がやってきました。
はるばる南アフリカから、レッド・メダリオンの2000年、2003年と『神の雫』原作者がお気に召した2001年、白ワインはシャルドネとシュナン・ブランが2ヴィンテージずつ供されました。
2000年に南アフリカの自然の雄大さ、2001年にはボルドー格付シャトーに感じられるような洗練さや品格、そして2003年に、1年1年のワイン造りの進歩からか、その双方がうまく融合した良さを感じました。

その後、Mさんに私たちとワイナリーとの間に入っていただいたおかげで、とてもスムーズな連携が取れたのは言わずもがな…ですが、早々にこの秋から発売し、好評に売れているようですので、ぜひ、そのお味をお試しください。

↓こちらでお買い求めいただけます。
http://item.rakuten.co.jp/kbwine/nhl0076

photo

 



コラム作者:プロフィール

斎藤 富明(さいとう とみあき):シニアワインアドバイザー
株式会社エヴァワイン ディレクター
1990年入社。営業職を経て1998年より本社ワイン事業部勤務。2001年秋より、
フラッグシップ・ブランド「シャトー・メルシャン」初代ブランド・マネージャーに就任。
ブランド再構築を推進し、2002年に新生「シャトー・メルシャン」を送り出す。
「桔梗ヶ原メルロー・シグナチャー」をはじめとして「甲州グリ・ド・グリ」「甲州きいろ香」
「ももいろメルロー(ロゼ)」「桔梗ヶ原メルロー・マール」など、アイテムの充実とともに
ブランド再構築の創成期で一翼を担った。2009年4月より現在の新子会社に出向。


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