メインメニュー
HOMEレビューコーナー酒国漫遊記

レビューコーナー


酒国漫遊記(Part 12)

2010/01/13 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28

【にごり酒の愉しみ】

どぶろく。ご存知でしょうか?昔は家庭で作る梅酒のように、地方によっては自家製造をしていたお酒です。(ちなみに・・・現在の酒税法上では自家製造は違法行為です!)
このどぶろく作りは、明治に酒税法が出来て以来途絶えていたらしいのですが、これを1966年に復活させたのが京都伏見の増田徳兵衛商店が造る「月の桂」。ここが「元祖にごり酒」の蔵として知られています。
清酒の醸造工程の中途段階の「もろみ」を絞った白濁したお酒は、酸味があり、微発泡でヨーグルトのような味わい。和食だけでなく、中華、韓国、エスニック、洋食なんでもよく合う日本酒だと思います。その証拠ではないですが、京都・東京で定期的に行われる「月の桂にごり酒の会」は、2009年12月で数えることなんと352回。東京の会場はいつも「赤坂四川飯店」。陳さんの辛い料理をさらに引立てています。
またより強い炭酸ガスを含む「活性にごり酒」は食前酒に最適。今では複数のメーカーが作られて、中にはフォーミュラ・ニッポンの表彰台で勝利の美酒として「シャンパンファイト」ならぬ「日本酒ファイト」をしてもらうために造られたお酒もあります。
ARTラベルでもご紹介した「人気酒造」が造る1600mlボトルは、ボトル自体にも大いにこだわったお酒です。予約受注ですのでご興味のある方はお早めに。
あとお勧めは秋田の「刈穂」が造る「六舟活性にごり酒」。こちらも限定生産です。ちなみに作家水上勉が名づけた「六舟」とは、昔ながらの「ふな(舟)搾り」を行う酒槽に由来し、じっくり搾るのに適しています。
ちなみに、保管が悪かったり、古いものは瓶内での発酵が進んでしまいますので、手に入れられたら必ずお早めにお召し上がりください。

増田徳兵衛商店ホームページ
http://www.tsukinokatsura.co.jp/
人気酒造「スパークリング純米大吟醸」
http://ninki.co.jp/scb/shop/shop.cgi?No=30
秋田清酒ホームページ(刈穂蔵元)
http://www.igeta.jp/

 

photo
京都伏見の増田徳兵衛商店が造る「月の桂」。ここが「元祖にごり酒」の蔵

 



コラム作者:プロフィール

 入江啓祐(いりえ けいすけ)
 1991年日本航空入社
 国内線・国際線の本社部門通算で10年間、全社キャンペーン・
 プロモーション企画を担当。
 日本酒を通じて世界に日本文化を紹介する「JAL Sake Project」で
 全国350社を超える酒造会社や関係省庁とのタイアップ企画を実現。
 1999年から3年間はミラノ支店に勤務。

 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。
 日本と海外を繋ぐビジネスと国際物流コンサルティングを
 行いつつ、銀座にて会員制日本酒サロンを運営中。
   http://nuit-ginza.jp




ワイン 百一話

絵画に見るワイン 4 

ルノワール(1841-1919) フランス印象派の運動に参加した画家です。豊かで明るい色調で人物描写を得意としました。代表作には『ムーラン・ド・ラ・ギャ...


現役ソムリエのコラム

ソムリエのフランス研修日記 Part2

ソムリエのフランス研修日記 Part2

レストラン サンドランスへ   2008年 6月某日。  パリ・マドレーヌ教会のすぐそばに位置するミシュラン二ツ星のレストラン「サンドラ...


レビューコーナー

酒国漫遊記

酒国漫遊記

【江戸時代の日本酒ヌーボー】江戸時代日本酒を扱う問屋が多く集まった町、初期は平河町や新宿だったといわれています。しかし、中期以降は埋め立てが...