レビューコーナー
ソムリエナイフの名門シャトーラギオールについて(Part 1)
2009/11/24 PART 01
歴史
18世紀頃、標高1000〜1500メートルの山々に囲まれたラギオール村では、冬になると農作業ができないほど雪が降るため、スペインへ出稼ぎに向かい、帰りには美しいポケットナイフをお土産に持ち帰る習慣があった。(スペインから持ち帰った金属製のナイフが、実はラギオールナイフの原形ではないかという説もあります。)
日用品として使用されていたナイフは、非常に簡素なものだったが、ラギオール村の牧童たちにとっては第3の手のようなもの。ナイフなしには1日たりとも過ごせなかったという。牧畜の仕事はもちろん、1日の仕事を終えて神に祈るとき、十字架の代わりにナイフを大地に刺し、深く頭を垂れていた。
1829年にライヨール村に生まれ育った少年が、村の名産ともいえる水牛の角をナイフのハンドル部分にあしらったのが「ラギオールナイフ」の最初とさせているが、彼は刃物を作る職人ではなかったため、数点のみのナイフを作っただけで産業までには発達しなかった。
昔からライヨール村は酪農が中心で、刃物製造産業が無かったことから少年の開発したライヨール・ナイフは、19世紀末ごろティエールで製作されるようになった。この頃、村の過疎化がどうしようもないほどに進んでしまい、農業や牧畜を捨てて都会へ行く人々は土地の折り畳みナイフをお守りのようにたずさえていったという。
ソムリエナイフの誕生
1985年、絶滅の危機にひんしていたラギオール村のナイフ作りの伝統を見直し守っていこうと、村出身のカフェのオーナーら5人の若者が「ライヨール・ナイフ協会」を設立。1987年にはフィリップ・スタルクをデザイナーに迎え、村の倉庫跡地に部品から完全一貫製造をする「フォルジュ・ドゥ・ライヨール社」が産声をあげた。
※ライヨール村には沢山のお土産屋があり、さまざまなライヨール・ナイフが販売されていますが、ライヨール村でパーツから組立てまで一貫生産しているのはフォルジュ・ドゥ・ライヨール社のみです。(2006年現在)
1993年、フランス随一といわれる名ソムリエ、ギー・ヴィアリス氏が本格的なソムリエ用ナイフを作りたいと熱望した。ラギオールの村からやってきたカフェの主人達が持っていた美しいナイフを思い、ワイン専用ナイフの製品化を進めていったが、元々ラギオール村には刃物産業が無かったために、ヴィアリス氏は刃物産業の一大中心地、 オーベルニュ地方のティエールにあるナイフビルダー、1850年創業のスキップ社を訪ね、共同で開発に取り組んだ。数カ月の試行錯誤のうえ、ついに完成した「シャトーラギオール」は、1993年にボルドーで開催されたVINEXPO(ワインを主とした世界規模の展示会)でお披露目され、来場者に大きなインパクと与えた。それから1〜2年ほど後の1995年頃、「フォルジュ・ドゥ・ライヨール社」がフィリップ・スタルクデザインのソムリエナイフを発表。ついにシャトーラギオールが誕生した。
歴代のプロ世界チャンピオン達が愛する理由
“ワイン界のオリンピック”世界ソムリエコンクール。達人ともいえる究極の技術と知識を競い合い世界でただ一人のチャンピオンの栄冠に輝けし歴代のチャンピオン達。彼らが自身の「スタイル」を象徴するべく自らのデザインに関わり、作り続けられる世界中で唯一のソムリエナイフ。なぜ、長い期間にわたりチャンピオンたちに愛されてき
たのだろう?それは「個性=スタイル」と「機能」の高次元での融合であると言えるかもしれない。
「機能」
優れた「コントロール・バランス」は、全モデルに共通するデザインにある。主体のボディ=ハンドル、フック、スクリューの取り付けられる位置バランスが、万人とは言わないまでもほとんど全てのユーザーが「コルクを抜く」という動作を行う時に感じる「軽さ」「簡単さ」「使いやすさ」を感じさせることを意図して研究し尽くし、はじき出されたコルクスクリューの「黄金比」に基づいてセットされているからなのである。合わせてナイフ部分は奇をてらうことなく、しかし確実かつ簡単にスクリューキャップを切り取るという単純な「動作」を終わらせるか?を熟考した結果、「ほどよい」サイズのやわらかくカーブした半月状デザイン、のこぎり刃を選択しているのである。ソムリエナイフの「命」とも言えるスクリュー部分には、ボルドーグランクリュクラスのワイン等に見られる長いコルクにも充分対応可能な長さと巻き、そして過酷なプロの使用条件にも耐えうる「硬度としなやかさ」を併せ持つシャトーラギオールにしか使われない最高品質のステンレス鋼材を使用している。
「個性=デザイン」
“シャトーラギオール以前のソムリエナイフ”はドイツ・ゾーリンゲンの雄、ヘンケルス社製に代表されるステンレス材もしくは鉄材を主原料に製作された無機質な「金物道具」であり、機能においては優れてはいたものの、こと「味、テイスト」「道具としての色気」に関しては皆無といってもいいものであった。そしてその無機質&無個性なソムリエナイフの“歴史”を塗り替えたのが、「機能+個性&スタイル」を見事に融合しえた世界初のソムリエナイフ「シャトーラギオール」だと断言しうる。何人も真似できない「峻烈な個性」を持つ唯一、世界中のプロたちに愛されるソムリエナイフの中の「ザ・ソムリエナイフ」それがフランスSCIP社製「シャトーラギオール」。まさに「銘品」である。
自分へのご褒美・贈り物として
いろいろと「シャトーラギオール」についてお話して参りましたが、毎日頑張っているご自分へ、また親しい知人・ご友人への贈り物として本物をプレゼントされてはいかがでしょうか?一つ一つ手作りなので心のこもった贈り物になること間違いなしです。世界でたった一つの「銘品」を是非どうぞ!
お問合せ先は
メルコム株式会社(メルシャングループ)
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東京都中央区入船1−9−12
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TEL03−3551−7773
FAX03−3551−7779
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コラム作者:プロフィール
角谷 裕子(かくたに ゆうこ) :シニアワインアドバイザー 1990年 メルシャン株式会社入社 セールスとして勤務。 2003年 シニアワインアドバイザーを取得。 2004年〜メルコム株式会社へ出向(メルシャングループの100%子会社) ワイン関連商品の販売等に携わる。 ☆現在、小学校低学年の男児2人をかかえながら日々奮闘しております! |
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