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酒国漫遊記(Part 19)
2010/04/02 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16| 17| 18| 19| 20| 21| 22| 23| 24| 25| 26| 27| 28
【コタキナバルより】
コタキナバルはボルネオ島のマレーシアサイドにあります。ボルネオ島はマレーシアが3分の1、インドネシアが3分の2を占める大きな島です。マニラとクアラルンプールの中間、日本から直行便で6時間のところにあります。なんとなくイメージはつきましたか?
キナバル山の麓、オランウータンや世界最大の花ラフレシアで有名な、熱帯雨林のジャングルから南洋木材を切り出す港として、昔から日本とは馴染みの深い町です。全く日本酒とは関係なさそうですが、この町のトップホテル、ハイアットとシャングリラのメインダイニングは両方とも日本料理。ハイアットは本格的な和食、シャングリラは鉄板焼です。
日本酒は今まではシンガポールなどから輸入されていましたが、2年ほど前から直接届けられるようになりました。
このキッカケは、ユニークな移住政策「マレーシア マイセカンドホームプログラム」のお陰。マレーシアの銀行に500万円相当を預金すると、5年間の滞在ビザが与えられるというもの。物価が日本の10分の1ぐらいで温暖なコタキナバルで生活し、季節のいい時期だけ日本に暮らす、そんなシニアな方が沢山おられます。
マレーシアにとっては外貨獲得効果もあり、物価の安さは他にロングステイが出来る海外の国と比べても群を抜いているので、日本人だけではなく他の外国人にも好評のようです。
美味なるものを経験されたシニアの方が多く各国のお酒の味にも詳しい方のニーズが高まったために最初はフレンチ・イタリア・スペインなどのワインを輸入されていた現地の酒販店がホテル等からの日本酒のリクエストに応えて輸入をスタートしたところ、非常に順調に行っているようです。現地のホテルスタッフは殆どがマレー系、インド系で若い面々ですが、積極的に勉強会を行うなど知識欲も高まっているそうで、今年の夏には蔵元が講義をする計画もあります。
良いワインが良い状態で届けられている国には、良い日本酒も必ずや届けられている、そんな環境が少しずつ拡がっている一つの例です。
コラム作者:プロフィール
入江啓祐(いりえ けいすけ) 2007年イタリア駐在時代の縁から株式会社Spazio Incontroに入社。 |
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