ワイン 百一話
シャトー・スミス・オ・ラフィット(Part 1)
ぶどう畑がワイナリーのすぐ横に見えます。ガロンヌ川の左岸で、ボルドー市からすぐ川上の辺りがグラーヴと呼ばれる地区です。ここでは、赤ワインと白ワインができます。
グラーヴで特に良質なワインを造る、格付け銘柄は15シャトー。そのひとつ、シャトー・スミス・オ・ラフィットを訪問しました。 |
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シャトー・オーナーのダニエル・カティアール氏。一緒に旅行した友人夫妻達と一緒にワイナリー内のレストランで。 |
ワイナリーというところは、総じてどこへ行っても美しいし、感動します。それでも、このシャトーに来たときは、「なんと神様は不公平なのでしょう」と思ってしまいました。
ここには何でもあるのです。ヤレヤレ。
シャトーが経営するといいますか、シャトー・オーナーのカティアール一族が経営するホテルに着いたのは夕方でした。ホテルは木造の二階建てで、すべての部屋の窓がぶどう畑に面しています。そこからはもちろんシャトーも見えます。収穫は終わっていましたが、ぶどう畑が夕日に映えて、とてもきれいでした。
フレンチ・パラジックスの学説で著名なボルドー大学医学部教授オルゴゴゾ先生とのディナーの約束がありましたので、シャワーを浴びてロビーに下りると、先生とジュニアが待っていてくださいました。
ホテルの中のレストランは、相当古い木造の建物をどこかから持ってきて、敷地内に再構築したもののようです。この古さと木の感じが、なんともいえない落ち着きを与えてくれます。
オルゴゴゾ先生はこのレストランにはよく来られるとかなので、お料理は先生にお任せしました。「私は赤ワインしか飲みません」と先生。「ハイ、ハイ、何でもお付き合いします」と私です。なんと言っても、元祖フレンチ・パラドックスなのですから。
メインが終わるころを見計らって、ホテルのディレクターがあいさつに来ました。名前はアリスで、シャトー・オーナーであるカティアール夫妻の長女です。
みんなでテーブルを囲み、赤ワインは体にいいという話で大いに盛り上がりました。