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オペラとワイン(Part 2)

2010/08/13 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10

 クラシックに関心がある方ならば、ドン・ジョヴァンニがモーツァルトW.A.Mozart(1756-1791)の作品であることはご存知のはずです。モーツァルトはオーストリア人ですから、ドイツ語で生活していました。もちろん宮廷に出入りしていましたから、フランス語も話せたはずです。
そのような環境の中で、ドン・ジョヴァンニはモーツァルトが29歳(1787年)の時に作られました。そもそものアイデアである、放蕩な青年貴族の話には、一七世紀のスペイン人作家による「セビリアの女たらし(ドン・ファン:スペイン語)」という、大層、魅力的な題名の小説があります。他方、フランスには劇作家モリエール(1665年)による「ドン・ジュアン(フランス語)」、そしてイタリアには「ドン・ジョヴァンニ(イタリア語)」と呼ばれる小説もあるのです。
 蛇足ですが、ドン・ジョヴァンニを日本語に訳すと「歌麻呂」でしょうか。
 オペラには曲と歌とが必要ですが、多くの場合、曲と歌とは別の人が担当するものです。ドン・ジョヴァンニの場合についても、モーツァルトは曲を創っていますが、歌の部分は作詞家のロレンツォ・ダ・ポンテに依頼しました。彼はたまたまイタリア人でしたから、「このマルツェミーノはいける」とイタリア語でいわせているわけです。もし作詞家がモリエールならば、「このシャンパーニュはいける」とフランス語でいったかも知れませんし、スペインの原作ならば「このペネデス(スペインの都市名)のカヴァはいける」とスペイン語でいったに違いありません。カヴァというのは、スペインの発泡酒のことです。
 ところで、オペラの国イタリアにはイタリア・モーツァルト協会という団体があります。その協会が、なんとドン・ジョヴァニンに関する公式見解といったものを出しています。それによりますと、やはりモーツァルトの曲につけられた原語(イタリア語)の歌詞の「このマルツェミーノはいける」という部分に執着しています。まあ、そうでしょう。
 マルツェミーノというお酒は、イタリアの北部でアルプスの麓はベニスの北の方にあるトレンテノ・アルド・アディジェ州の、赤い甘口の発泡酒です。一度本物を飲んだことがありますが、赤いコーラにアルコールと砂糖を入れたような味わいでした。 

 

 



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