ワイン 百一話
オペラとワイン(Part 10)
2010/09/23 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08| 09| 10
カヴァレリア・ルスティカーナ
楽譜出版社ソンツォーニョ社が公募した、一幕ものオペラ作曲コンクールで優勝した作品です。イタリアのマスカーニ(1863-1945)が1890年に作曲したカヴァレリア・ルスティカーナは、「田舎の騎士道」と訳されています。シチリアの実話に基づき、それをオペラにしたものといわれています。
舞台設定は、同じ2890年復活祭の日で、場所はシチリア島。教会でのミサの後の出来事です。
兵隊から戻って来たサントゥッツァの恋人である村の伊達男トゥリッドは、元の恋人ローラとよりを戻します。これに嫉妬したサントゥッツァはローラの夫である馬車屋のアルフィオに、二人の関係を教えてしまいます。その結果、男二人は決闘することとなり、トゥリッドゥは殺されてしまいます。
「乾杯の歌」は、決闘する前にトゥリッドゥが居酒屋で友人たちと杯を上げる場面で歌われます。「コップの中の泡立つワイン、讃えあれ」、という歌詞です。
前回お話ししましたように、この頃にはシャンパーニュは存在しています。ですが、シチリアの居酒屋で乾杯できるほどには、普及していたとは思えません。
ここで飲まれた「泡立つワイン」とは、まず間違いなく、地元で作られた発泡酒(スプマンテ)でしょう。