ワイン 百一話
シャトー・コス・デストゥルネル(Part 3)
きょろきょろとしっかり観光客をしていると、シャトー・オーナーのジャン・ギオーム・プラッツ氏が、別の建物の中にあるオフィスで待ってくれているとのことです。それではと、外に出て驚きました。猛烈な嵐なのです。収穫も発酵もすんでいるので、どうということは無いのですが、まあ、すごい雨でした。軒下伝いに、隣の建物へ。
プラッツ氏とは一年ぶりです。オフィスでは書類の山に埋まっている感じがしましたので、大仕事の最中ですねというと、「実は、今週末に日本に行きます。その直前なので片付けないといけない仕事がどっさりあって・・・」とのことです。恐縮してしまいました。 |
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素晴らしいテイスティング・ルームで現当主のジャン・ギオーム・プラッツ氏と |
まずはセラーへどうぞと誘われました。このシャトーのこだわりは、セラーの中にもありました。なにやらエキゾチックな雰囲気の中で静かに眠る樽の向こうにも、控えめなライトに照らされて浮かび上がる、盾を持つライオンと一角獣の彫刻がありました。
テイスティングしましょうということになり、案内されたテイスティング・ルームの実にすばらしいことに驚きました。
オフ・ホワイトと白地にブルー模様のチャイナを張ったテーブル、ずらっと並ぶ磨き上げた高級なテイスティング・グラス、ちょうど良い採光と室温。
もちろんテイスティングするワインは、シャトー・コス・デストゥルネルとセカンドのレ・パゴ・ド・コスです。セカンド・ワインの名前であるパゴとは、まさにパゴダのことです。
至福のときを過ごしました。
シャトー・データーです。シャトーの総面積は70ha。平均樹齢は40年。ブレンド比率にほぼ準ずる栽培面積比は、カベルネ・ソーヴィニヨン種58%、メルロー種40%、カベルネ・フラン種2%。発酵槽はカベルネ・ソーヴィニヨン用としてセメント・タンク、メルロー用としてステンレス・タンクであり、木桶は使用していません。発酵温度は発酵終了時28〜30℃。発酵期間は7〜10日。かもしは2週間。樽熟成期間は18〜22ヶ月。新樽使用率は80〜100%。樽材は主としてアリエ。卵白による清澄に引き続き、濾過も軽く行われます。年間総生産量は平均45万本。セカンド・ワインは、赤ワインのレ・パゴ・ド・コス。