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シャトー・オー・バイユ(Part 2)

2010/03/08 PART 01 | 02| 03

シャトーの名のつく組織など千を越すでしょう、などと思ってはいけません。芸能人の大結婚式披露宴を考えても、円卓の数には制限があるものです。小さなシャトーでは、テーブルの席を押さえることそのものが、なかなか大変です。

そして、二年前の叙位式で、筆者を円卓に招いてくださったのが、ボルドーはグラーヴ地区にあるシャトー・オー・バイイだったのです。写真に写っている、オーナー一族のヴェロニック・サンダーズさんが、私の後見人です。感謝の気持ちを込めて表敬訪問したい、いの一番のシャトーでした。
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シャトー・オー・バイユを取り仕切る女性達


シャトー・オー・バイイはボルドー市の真南に位置します。
1870年頃、このシャトーでは、樽をすすぐときにコニャックを用いたことがあるという、楽しいエピソードが残っています。もちろん昔話でして、今はそのようなことはありません。
1945年、ベルギー出身のワイン愛好家であるダニエル・タンデルス(英語読みするとサンダース)は、シャトー・オー・バイイのできのよさに感激して、このシャトーを手に入れようと決心します。実際に所有したのはその10年後ですが、紆余曲折の後、収穫したぶどうの30%をセカンド・ワインにまわし、新樽の使用率を55%に増加させ、収穫時期を遅くすることなどで、1980年頃から高い評価を受け続けています。ろ過を行わないことも、特徴のひとつです。
シャトーを訪問した日も快晴でした。本当にボルドーは天気に恵まれています。
到着して、なんとなく静かなのに戸惑いました。人がいないのです。
オー・バイイは、収穫時期を少し遅らせてぶどうの糖度を十分に上げるのだと聞いていましたので、収穫の真っ最中に違いないと考えていました。ですが、全く予想に反した静けさです。
今回のボルドー訪問は、サンテミリオンから始め、グラーヴそしてメドックの順に回りました。収穫時期の遅い地域から回ったほうが、収穫を見る機会に恵まれるはずなのです。このもくろみは部分的に正解でした。その証拠に、サンテミリオンでの最初の訪問先で、カベルネ・ソーヴィニヨンの収穫を見ることができました。



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