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ワイン 百一話


アルフレッド・グラティアン(Part 3)

2010/01/25 PART 01 | 02| 03

シャンパーニュの造り方は特別です。コーラやサイダーのように、出来上がった液体に炭酸ガスを吹き込むのではありません。ここでは、瓶内二次醗酵と呼ばれる、次のようなとても面倒な手順が必要なのです。

まず、通常の醸造方法で白ワインを造ります。そのワインを瓶の中にいれ、そこに少量のワインに溶いた酵母とショ糖を加えて、王冠またはコルク栓で蓋をします。瓶詰めに際しては、通常、金属の王冠で栓をします。ですが、グラシティアンではコルクの栓を使用します。その理由は、コルクならば空気が通るのでワインが呼吸できるのだということでした。
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グラティアンは小規模ですが高品質なシャンパーニュを造ります。


加えられたショ糖が酵母の働きでアルコールと炭酸ガスに変化し、発生した炭酸ガスがワインの中に残り発泡洒になります。
醗酵が終了すると,酵母は滓となって瓶の中で沈殿します。その状態で一五ヶ月以上熟成させます。生産年を表示できる,ヴィンテージ・シャンパーニュと呼ばれるものでは、最低三年間の熟成が必要です。瓶の中には滓が大量に発生します。
横に寝かせてあった瓶を、ピュピトルと呼ばれる滓下げ台に、瓶の口が下に来るようにして並べ、滓を瓶の口の部分に集めます。瓶の口の部分を冷凍液(塩化カルシウム液)につけて、口の部分に集まった滓ごと凍らせます。ここで王冠・コルク栓を外します。滓は、中の気圧の作用で飛び出します。瓶の中の出来あがったシャンパーニュに、甘いリキュールを添加してから、コルクを打ち込んでシャンパーニュが完成します。
テイスティングの極めつけは、キュヴェ・パラディ・ブリロット・ロゼでした。グラティアン自慢のロゼ・シャンパーニュです。
明るいサーモンピンク色で、磨き上げた銅のような色調です。繊細な泡が、グラスの中にシャンパーニュが残っている間中立ち上っている、そんな感じです。
 香りは、オレンジ・ピール(皮)、ドライ・フルーツそしてジンジャーブレッドのようなブーケです。口に含むと実にクリーミーな泡立ち、香りと同じオレンジ・ピールのフレーヴァーが感じられます。イチゴやラズベリーなどのベリー系のシャーベットのような味わいです。アルコール度数は12%。天国の飲み物のようでしょう、というのがパラディ(仏)の名前の由来です。
ちなみにパラディとは、英語ではパラダイスなのです。



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