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ワイン 百一話


アルフレッド・グラティアン(Part 2)

2010/01/22 PART 01 | 02| 03

エペルネは小さな町ですので、ほとんどのメーカーは駅から歩ける距離にあります。ですが、それは直線距離の話でした。なんとグラティアンにゆくには、緩やかな上り坂が、延々と思えるくらいに続いたのです。幸いなことに旅行用のスーツケースはパリのホテルにおいてきました。駅が丘の上でなくて幸いでした。そうでないと、沢山沢山試飲した後で、訪問先から駅に戻るために丘を登ることになっては・・・行きは良いよい帰りはなんとやら、になるところでした。

グラティアンに到着すると、すぐに担当者の男性が出てきてくれました。なめらかなキングズイングリッシュで話しかけられましたので、このワイナリーは英語で見学することに決めました。彼はイギリス人かもしれません。以前、ブルゴーニュでもイギリスからの研修生が対応してくれたことがありました。
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エペルネを流れるマルヌ川


グラティアンでは高品質を維持する為に、生産量を制限していますと、案内係の人は誇らしげです。
使用品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエと典型的なシャンパーニュの造り方です。三つの品種は、それぞれがシャンパーニュに特徴をもたらします。
シャルドネは白い花の香りと繊細な味わいを、ピノ・ノワールは深みのある香りとしっかりしたボディを、そしてピノ・ムニエはフルーツの香りをシャンパーニュに与えてくれます。
ちなみに、グラシアンでは積極的にピノ・ムニエが使われています。この手法は一八四三年創業のクリュッグに似ています。実は、グラシアンとクリュッグとは姻戚関係にありますので、お互いに影響を受けているのです。ここでは、伝統的な手法を重んじており、いまだに手間のかかる作業も続けています。
技術的な質問が大好きな筆者は、細かい事を聞き始めました。途端に、どうにも、話がスムーズにゆかなくなりました。これは私の英語力不足であることは間違いないのですが、少し困りました。すると、案内役の彼は横にいた女性にフランス語で、この人(私)が知りたいことは何かなと、確かめたのです。「完璧」なフランス語でした。
「ひょっとして貴方はフランス人ですか」「当然じゃないですか」「英語お上手ですねぇ」「有難う、ですが貴方のフランス語は英語よりもいいですよ」「なんだ、初めからフランス語にすればよかった」・・・という会話が、フランス語で猛烈な速度で交わされました。かれは、醸造責任者でオーナー一族の生粋のフランス人でした(汗)。



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