ワイン 百一話
シャトー・ラフィット・ロートシルト(Part 2)
1868年、現在のロスチャイルド家が落札して所有者となり、名前をシャトー・ラフィット・ロートシルトとしました。1975年、フランスのワイン醸造技術の第一人者ペイノー博士をコンサルタントに迎えて、さらに磨きをかけます。
ワイナリーを訪問するときには、必ず訪問先の栽培面積、生産量などの全体像はもちろんのこと、歴史やコンセプトまでも予習しておかねばなりません。単に先方の説明を拝聴して相槌を打つのではなく、積極的に質問することは、しばしば好ましい訪問者として歓迎されるからです。 |
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ラフィットの美しい外観 |
ですが、シャトー・ラフィット・ロートシルトに出かけるときには、予習の必要ありませんでした。以前から一度は訪問したいと願っていましたので、予備知識としてはまずまず十分でした。そして、遂に、訪問する機会に恵まれました。
ボルドーのメドック地区を訪問した人は、まず間違いなく写真のような美しいシャトーに目をとめます。これがシャトー・ラフィット・ロートシルトであることは、ワイン好きならすぐにわかります。ラベルの絵のそのものなのですから。とはいえ、手前に池がある庭園、そしてその向こうにシャトーという素晴らしい景観は、道路を隔てて離れたところからでないと全景が見渡せません。それほど広くて大きなシャトーです。
約束の時間にはシャトーに到着していましたが、何分にもすべてがこれまでに訪問したシャトーと比べて一回り大きく、受付を探すだけでも一苦労しました。
対応してくれた醸造責任者はとても気さくで、何でも質問してくださいといいながら、まず熟成庫に案内してくださいました。