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ワイン 百一話


映画に見るワイン 8 (Part 8)

2011/04/29 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08

トーマスは右手にグラス、左手にボルトを持って、歩きながらワインを注ぎます。ワインは赤ワインです。トーマス自身がワインの栓を抜けるタイミングではありませんから、この、ワインの用意が(できました)という表現は、ワインはすでに(多分2時間前から)抜栓してあり、ちょうどよい飲み頃になっていますよ、という意味合いがあります。
 書斎に入り、ブリーフ・ケースをまえに、トーマスはワインをグイと飲みます。一気のみではありませんでしたが、グラスのボールの部分を持っています。グラスは脚の部分を持つのが正統なのですが、私もレストランで飲むとき以外は、グラスの持ち方はいいかげんですので、トーマスの作法にクレームなどつけるはずもありません。実はこの時に、ボトルが見えました。
 う〜ん、舞台はアメリカですが、なで肩のボトルに、エティケットの中央上方に赤い丸いマーク。あれはギガルに違いありません。フランスはコート・ド・ローヌ地方にある実力ナンバーワンのメーカーです。
 かの有名なロバート・パーカーの採点で、百点を取ったワインであって欲しいものです。1990年のコート・ロティにしておきましょう。とにかく、アメリカ人のお金持ちは、パーカー・ポイントの高いものが大好きです。
 モネの絵を、隠し戸棚に飾り、会心の笑みを浮かべて「Oh, Yes…..」とひとこと。グラスに残っているワインを口に。
 話は、石像に隠れていた男達は、正体不明の人間に雇われたダミーに過ぎなかったことが、時間の経過とともに警察の調査で明らかにされてゆきます。そして、ここでスイスに本社を置く保険会社の美人調査員、キャサリンが登場します。
 原稿を書くにあたり、今一度この映画を見ていて、ショックに見まわれました。ヨットで遊ぶトーマスの後ろには、あの同時多発テロで破壊された、美しい世界貿易センタービルが写っていました。
 キャサリンはトーマスに近づき、2人は始めてのデートを。最高級レストランに予約無しで入れることから、トーマスの知名度が推し量れます。
 キャサリンのためにシャンパーニュを注文するトーマス。シャンパーニュはクリュッグでした。

 



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