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ワイン 百一話


映画に見るワイン 6(Part 6)

2011/04/17 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08

ブラッド・アンド・ワイン
 まさにワインが主役のような題名です。1996年アメリカ・パイオニア社の製作。監督:ボブ・ラフェルソン、主演男優:ジャック・ニコルソン。著者にはオーパス・ワンも主役の一人に見えました。原題はBLOOD AND WINE。舞台はマイアミです。
 ワイン商を営むアレックス(ジャック・ニコルソン)は、家庭は崩壊、カードも失効するほどの大ピンチです。今朝も夫人と口げんかしてから家を出ました。「おまえの母親(夫人)は鎮痛剤の飲み過ぎじゃないか」と、義理の息子に聞くのですが、著者にはキッチン・ドリンカーに見えました。
 それでも自分の店に入ると、スタッフの一人に「シャトー・パンチョン・ロングヴィルの85年物の宣伝文句は《深み》でいいかな」と聞かれて「的確な表現だな」と答えるゆとりはあります。
 さて、義理の息子を連れて、顧客のところにワインを箱ごと運ぶシーンでは、金持ちのクルーザーのデッキにいる女主人にスポットが当たります。彼女は昼間からワインをすでに、一人で一本空けてしまっています。見たところワインはシャトー・マルゴーのようです。わずかに酔っている表情ですが、まだまだ飲めそう。女主人は、アレックスの義理の息子に、2本目のワインを空けさせます。
 この間に、アレックスは屋敷の中に忍び込み、ワイン・セラーの温度調節装置の電源を切ってしまうのです。目的は、この家にある金庫の中で横たわる130万ドルのダイヤモンドのネックレス。クルーザーの持ち主は、ワインを積み込んで、すでにクルージングに出かけています。
 翌日、アレックスはセラーの空調修理という名目で客の留守宅を訪れます。修理技師だと偽ってつれてきた男は、実は金庫破りのヴィクター。もちろん、目指すは、金庫の中のダイヤモンドのネックレス。
 もくろみ通りダイヤモンドは手に入りましたが、後はお定まりのコースで仲間割れ。
 ヴィクターはハンモックに揺られて寝ているアレックスに、ゴルフのパターで殴りかかりますが、持病の喘息の発作が出てしまいます。
 看病する振りをしながら、アレックスはヴィクターに近づき、突然クッションを顔に押しつけて、殺してしまいます。そして薬物使用による事故死に見せかけるために、ヴィクターの胸のポケットに入っていた、喘息の特効薬(エフェドリンのインサーフレーターかと思います)を大量に口に吹き込みます。
 う〜ん、あれでは指紋が残ってしまいますね。法医解剖すれば、肺の中にエフェドリンがないことが分かってしまいます。しかし、映画ですから仕方ないとしましょう。
 次のシーンがワインです。アレックスはハンモックの横に置いてあったワインを注いで、一気飲みします。なんと、それはオーパス・ワンなのです。一気のみするお酒ではありませんが、あの場面では喉の渇きを癒すために、ハァハァいいながらの一気飲みでした。
 実は、この映画を見ながら、まさに緊迫する殺人のシーンなのですが、殺しあっている最中にも、サイド・テーブルの上にあるオーパス・ワンが気になって仕方ありませんでした。テーブルがひっくり返ったらオーパス・ワンが割れてしまう…と。



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