ワイン 百一話
映画に見るワイン 1 (Part 1)
2011/02/24 PART 01 | 02| 03| 04| 05| 06| 07| 08
映画もワインも大好き人間の私は、以前から映画の中でワインが出てくると、いつも感動していました。
近いところでは、「タイタニック」のシャンパーニュ/モエ・エ・シャンドン社のブリュット・アンペリアルです。デカプリオがグラスを手に「人生は贈り物、ムダにはしたくない…シャンパーニュをもう少し」といいます。華やかな席に相応しいワインの筆頭は、やはりシャンパーニュです。同じシャンパーニュが「プリティー・ウーマン」にも出てきました。ここでは、シャンパーニュとイチゴの美しい取り合わせが画面を彩ります。
古くは、ジャンギャバンが主演した「現金に手を出すな」では、クラッカーにチーズをガバッ乗せて、一口で食べるシーンがありました。テーブルの上にはもちろん、ワインです。白黒映画でしたので、あれが白ワインか赤ワインかは、いまだに知りません。
ところで、その映画を見た当時の私は、お酒が飲める年齢にはまだ達していませんでした。それでも、そのスマートな仕草と洗練された表情に、思わず見入ってしまいました。
「ローマの休日」ではキャンティが画面を飾ります。オードリー・ヘップバーン演じるところの王女様が、まあ、いってみればカジュアルなワインをグイッと飲むのです。たしかヒッチコックの「裏窓」では、モンラッシェが出ていました。
そして私のお気に入りの映画の中には、次のようなワインが登場しました。
■ 007/ダイヤモンドは永遠に
1971年MGM社製作。監督:ガイ・ハミルトン、主演男優:ご存知元祖ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーです。原題はDIAMОNDS ARE FOREVER。ワインが出てくる舞台は、物語のほぼ最後の部分でクリーン・エリザベス号の1等船室。
スパイ任務が完了したジェームズ・ボンドは、豪華客船で美女と帰国の途に着きます。
その船の中、ソムリエとウェイターが素晴らしい夕食を運んできました。ルーム・サービスなど注文していないぞ、というボンド。「ホワイト様からの、特別のご配慮です」と応えるソムリエ。しかし、ソムリエが首からかけているタストヴァンのチエーンが、とてもゴツゴツしています。どうにもエレガントさがありません。まるで、猛犬散歩用の鎖です。
料理の説明の後で、ソムリエがワインのボトルをボンドに提示します。
ソムリエ「ワインです。ムートン・ロートシルト、55年」。
参考文献:青木冨美子著「映画でワイン・レッスン(2008)」