ワイン 百一話
シャトー・クロ・ヴージョ(Part 4)
2009/10/30 PART 01 | 02| 03| 04| 05
シャトー・クロ・ヴージョには、ボーヌ市内のあちこちのホテルから、騎士団指し迎えのバスで大勢の人が集まってきました。到着したバスは、15台以上あったように記憶しています。
シャトーの内庭に入ると、その日に「ワインの騎士」として叙位される人たち、既に叙位されている人たち、そしてその家族や友人たちで門から式場まで人があ ふれていました。筆者は、何度もここを観光客としては訪れていましたが、正装した客のいるクロ・ヴージョはこれまでとは違った新鮮さを与えてくれました。 |
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荘厳な中にも親しみのある叙任式でした |
その夜、称号を受けた人は女性5人、男性40人でした.いまからワインの騎士になる私と同じひよこ以外に、150名ぐらいの参列者が着席していました。会場の後部には立って見ている人が百名程いて、式典会場は、まさに立錐の余地もないありさまでした。
「今から式典が始まります」と聞こえてきました。
いよいよ式典の始まると、ヴァチカン宮殿の衛兵のようなき赤・黄緑・黄のストライプの帽子と衣裳で身をかためた楽師が数名、ホルンを持って舞台に登場して来ました.ホルンが奏でる高らかなファンファーレに合わせて、赤いガウンをまとった十数人の審査員が壇上にならびます。
審査員の中でも、とりわけ格調高く正装した長老が、「母なる大地よ、ブルゴーニュの神よ・・・」と、朗朗とした声で開会を宣言しました。
最初のひとことで、私は感動してしまいました。