ワイン 百一話
ピエール・アンドレ1(Part 1)
有名な赤ワインであるコルトンや白ワインの超高級品コルトン・シャルルマーニュなどは、コルトンの丘と呼ばれる銘醸地で産まれます。
ピエール・アンドレ社は、なんといっても、彼らが本拠地としているその美しいシャトーで有名です。ボーヌを訪れる人がコルトンの丘に向かって車を進めてゆくと、写真のような美しく素敵な「お屋敷」に目を奪われてしまいます。ワインのエティケットにも使われている、実にいいデザインの建築物です。 |
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美しいシャトー・ド・コルトン |
ブルゴーニュ・ワインの写真集を手に取ると、まず、必ず写っているのがこの屋根です。オスピス・ド・ボーヌの作り方によく似ていますね。
ピエール・アンドレ社はシャトー・コルトン・アンドレと呼ばれるこの建物に、1927年から陣取っています。
第30話で取り上げたルイ・ラトゥール社の写真は、シャトー・コルトン・アンドレの中庭から撮ったものです。ピエール・アンドレの敷地内に植えられているピノ・ノワールから造られるものは、シャトー・コルトン・アンドレと呼ばれるグラン・クリュ(特級ワイン)で栽培面積は0.33ヘクタールです。
ここも、シャトーそのものはさして大きくないのですが、その下には広い地下セラーがあります。ピエール・アンドレ社はコート・ドールに56haそしてマコンからボージョレにかけて200haの自社畑を持ち、加えて100ha相当の契約畑があります。ですから、ピエール・アンドレでのテイテスィングは、全ブルゴーニュのワインの総復習のようなものでした。
まず、コート・ド・ニュイからワインの騎士の叙位式を見たのはクロ・ヴージョでした。ピエール・アンドレ社のクロ・ヴージョはアルコール分が強く厚みのある力強いワインです。女性の醸造家が案内してくれた、そしてロマネ・コンティのオーナーと食事をしたレストランがあったジュヴレイ・シャンベルタンは、なめし皮の香りとビロードのような舌触りの上品なものでした。この二つはフルボディの赤です。
ロマネ・コンティのある村の名前をつけたヴォーヌ・ロマネは先の二つに比べて、やや軽くミディアム・ボディの赤です。