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ワイン 百一話


病院?それとも教会?(Part 1)

2009/10/24 PART 01 | 02| 03| 04

オスビス・ド・ボーヌといえば、知る人ぞ知る実力派のワインメーカーです。

ですが、もしひたすら心からそう思ってオスピス・ド・ボーヌを訪問すると、面食らうことでしょう。そこには、巨大なステンレス製の発酵槽はありませんし、延々と樽が並ぶ貯蔵庫も見当たりません。
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オスピス・ド・ボーヌの屋根は、ブルゴ−ニュでも最も美しいモザイク模様のひとつです。


筆者が初めてオスピス・ド・ボーヌを訪れたのは、相当昔のことです。友人のフランス人医師達と車でブルゴーニュ旅行をしていました。
「ボーヌのオスピスに行こう」と最年長のプロフェッサーがいい、みんなが「それがいい」と賛成し、私もよく分からないままに「ウン、行こう」と付け加えたわけです。
というのも、私は、オスピス・ド・ボーヌ(ボーヌの病院)に立ち寄るというのは、誰か同業者の知り合いが病院にでもいるのだな、と思っていた程度でした。そもそも、レジデントの時に勤務していたフランスの大学病院は、オスピス・シヴィル・ド・ストラスブール(ストラスブール市民病院)が正式名であり、私にとっては、オスピスとは病院でしかなかったわけです。
「あれがオスピスだよ」そういわれて驚きました。黄・赤・緑・茶・黒と色とりどりのモザイク模様でできた屋根は、アルザス地方にたくさんある、裕福な教会の屋根と何ら変わりはありません。高い鐘楼もみられます。
「オスピスというから病院だと思っていたけれど、なんだ教会か」思わず声に出してしまいました。



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