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ワイン 百一話


ジュヴレイ・シャンベルタン/アルマン・ルソー 1(Part 1)

2009/11/17 PART 01 | 02| 03

ディジョンから南に向けて少し走ると、世界的につとに有名なジュヴレイ・シャンベルタン村に入ります。コート・ド・ニュイで特級畑がある村は5つ。その最北がシャンベルタンの生まれ故郷です。初めて当地を訪れたとき、ブドウ畑はどこにあるのだろうかと、村のまっただ中でキョロキョロしてしまいました。

少し考えれば、小さな村の中に畑などあるはずがありません。村の中にあるものは、人が住むための家であり、パン屋さんであり、村役場なのです。畑は、村の外に決まっています。
  photo
「ここから(特級畑)シャンベルタンが始まります」と書かれた有名な看板です


そんな当たり前のことがなぜ分からないのだ、とはおっしゃらないで下さい。ブルゴーニュのワイナリーは小規模であるとか、よくあのように狭いところでワインが造れるものだなどと、さんざん聞いていたので、思い切り小さな畑を想像していたのです。現実に戻り、村を出てワイン街道に入りました。
「あ、これだこれだ」と思わず口から出ました。写真などでしばしば紹介されている、特級畑の看板です。"Ici Commence le Chambertin イッシ コマンス ル シャンベルタン(訳:ここからシャンベルタンが始まります)"と誇らしげに書かれてあります。私はなぜかこの看板が大好きです。
シャンベルタンといえば、皇帝ナポレオンがロシア遠征の折に持っていったもの。それ程の位にある人のご贔屓になったワイン・メーカーは、大感激(大喝采?)したに違いありません。
今日の訪問先は、ジュヴレイ・シャンベルタン村にあってその名も知られた、アルマン・ルソー社。約束の午後2時少し前に到着しました。
正面口から入り受付を探そうとすると、入り口あたりで働いていたつなぎの作業着を着たおやじさんが「ムッシュー、2時になったら醸造家が来るからちょっと待っててよ」と、フランス語訛の英語で話しかけてくれました。ムッシューだけはフランス語でした。
すこし脱線しますが、著者が若い頃レジデントとして過ごしていたアルザスでは、年輩の人たちにはいまだにドイツ語方言ともいえるアルザス語を用いることがあります。そして、アルザス語で話すときにも、「ムッシュー」とか「ボンジュール」はフランス語なのです。決して「ダンケシェーン」とはいいません。面白いものです。



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