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ワイン 百一話


ヴァンサン氏(Part 2)

2009/11/10 PART 01 | 02| 03

「やぁ、いらっしゃい。ちょうど雨も上がったし、まず畑を御覧なさい」とヴァンサン氏は開口一番そのように勧めてくださいました。そういえば、今朝から雨がしとしと降っていて、少し寒く、いささか侘びしい感じがあったのも事実です。

「畑の中には入らないように」と付け加えられましたが、いわれなくともそれは当然。雨上がりの畑の中に入ったら最後、靴が泥だらけになり、動きがとれなくなってしまいます。畑は緑色の葉が雨に濡れてとても鮮やかでした。
  photo
オーナーのヴァンサン氏と醸造家でもあるお嬢さん


醸造所の中は、新しいワインもすでに樽に入っていて、人気も少なく静かです。樽に入ったばかりの、その年のプイィ・フュイッセをテイスティングさせて下さいました。
あたらしいワインには、すでに骨格のしっかりした、香り高いワインになる風格があります。栴檀は若葉のころから芳し、の言葉の通りです。
「ブルゴーニュは何日くらいいて、どこを回るのですか」と聞かれたので、「この旅行は取材のみのためでして、一週間、ブルゴーニュだけです」と答えると、「わざわざ日本から来てブルゴーニュだけの訪問とはうれしい」と親しみを込めて話してくださいました。ブルゴーニュのみの訪問であることは事実なのですが、その一言が、会話をよりスムーズにさせるものなのですね。
写真は事務所兼テイスティング・ルームです。左がヴァンサン氏、真ん中がお嬢さんで醸造家。
テイスティングはカジュアルなものから、このシャトーの看板であるプイィ・フュイッセ=シャトー・フュイッセ、そして、それのヴィエイユ・ヴーニュと呼ばれるものまで出して下さいました。
このヴィエイユ・ヴーニュとは、古い樹という意味ですが、どの程度の樹齢が古いといえるのかが、人によってまちまちです。あるワイナリーでは、「ヴィエイユ・ヴーニュとは樹齢は平均15年だよ」といわれ、別のところでは「平均樹齢が30年をすぎないと古い樹とはいわんよ」との解釈でした。そして、さらに別のところでは「樹齢は一番若い樹でも35年はなければねぇ」とのことでした。
ちなみにこのシャトーでは、ヴィエイユ・ヴーニュを名乗るワインを造るブドウの樹齢は、「若くとも15年以上であり、中には60年のものもあるよ」とのことでした。



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