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ワイン 百一話


ジョルジュ・デュヴフ氏(Part 3)

2009/11/06 PART 01 | 02| 03

日本を出る前から、デュブフには一見の価値があるワイン博物館があるよ、と聞いていましたが、その通りでした。古代のアンフォラ、中世の農耕機具、コンピューター画像を駆使したホロスコープによるノアの箱船などなど素晴らしい展示内容でした。また、展示もさることながら、レストランにコーヒー・コーナー、テイスティング・セットに楽団、ワイン・ブティックと全く出来すぎで笑ってしまいました。が、その場にいた観光客達は満足そうでした。

もちろん私の最大の関心は、その年のボージョレ・ヌヴォの出来はどうだろうか、です。
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日本にもしばしばおいでになるジョルジュ・デュヴフ氏です(右)


ワインの出来不出来は天候に左右されるのですが、たとえば6月に激しい雷雨と雹が降り、7月には冷夏で一次は壊滅的な打撃を受けるかと心配されても、8月半ばから奇跡的に天候がよくなると、収穫時には、「今世紀有数の良い年」と評価されるくらいにまで回復するのです。
ジョルジュ・デュブフの工場を見学してとても感激したことがあります。そのパッケージが実にカラフルなことです。ブドウ品種により、輸出する国により、ワインの名前によりそれぞれ別のデザインを起こしているとのこと。
なんで、そこまで…という誰しも思うでしょう。実は、このワイナリーのオーナーであるデュブフ氏は、若いころデザイン学校に通っていた人なのです。なんと、あの有名なボージョレの花の模様は、ジョルジュ・デュブフ氏自身が描いた絵だったのです。これにはめちゃくちゃ感心しました。 
「テイスティング・ルームを見て下さい」と案内されました。なるほど、ワイナリーの分析室らしく、まあ色々あるわあるわ、栓を抜かれた世界中のワインが80本近く並んでいました。「これは、今日、ムッシュー・デュブフが朝5時からおこなったテイスティングでして、彼は毎日100本を遙かに超えるワインを利いています」。
「ドイツ人と日本人は味覚が違いますから、同じワインを輸出してはいけないとムッシュー・デュブフから教わっています」などなど。
やはり、世界に冠たるボージョレの帝王は、努力の仕方も違うな。と瓶を呆然と見ていると、白髪の紳士が上品な笑みをたたえながら入ってきました。
「今年のヌヴォ、もう利いてくれましたか」。救い主でした。
ちなみに、2009年のボージョレ・ヌヴォはとても良い出来といわれています。楽しみですね。



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