ワイン 百一話
デュヴフ社訪問(Part 2)
ロマネ・コンティとかシャンベルタンというと、一つの畑の区画です。しかし、ボージョレは、シャブリと同じように大きな地区の総称です。このボージョレ地区は、ブルゴーニュ地方の最も南に位置していて、フランス有数の都市であるリオンのすぐ北になります。ボージョレから産出されるワインは99%が赤ワインですが、この赤ワインの量は全ブルゴーニュの赤ワインの50%くらいにもなります。
ボージョレはジョルジュ・デュブフ氏なしに語ることは出来ません。 |
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デュヴフ社の入口 |
低迷している業界に現われた、救い主のような存在とされています。今でこそ有名なボージョレ・ヌヴォですが、ボージョレの新酒を世界的な「初物」にしたのは、まさにデュブフ氏です。
秋が深まりはじめたある年の10月、ボージョレを訪問しました。
ホテルはボーヌ市内でしたので、ボージョレを訪問するために朝8時発の列車に乗りました。フランスではこの時期になると、朝の8時はまだ暗く、コートが必要なくらいに寒く、うら淋しいことこの上ありません。
南に向かって列車で小1時間。少しドライブしたいので、ジョルジュ・デュブフ社がある町の一つ手前の駅で下車しました。ワインの名前でよく知られているマコン市駅でした。タクシーの運転手にボージョレに行きたいというと、「デュブフかね」と図星。日本人がこの時期に訪問するとなると、他は考えられないようでした。