現役ソムリエのコラム
旧:ユーゴ、スロベニアのワインとは
2009/08/22 23:16 畑久美子
先日、「TERAN」という珍しいセパージュ(黒ぶどう品種)のワインを頂きました。
それは1通のメールから始まりました。勝沼で125年も続く、ルミエールワイナリーの代表取締役社長である木田茂樹氏からでした。
**********以下、メールより**********
無事にスロベニア(*注)に着きましたスロベニアはイタリアの右隣にある小さな国です。
四国程の面積に約200万人の人が住んでいます。
十数年前まではユーゴスラビアの一部でしたが、いち早く独立しEUに加盟しています。
フランクフルトからは1時間のフライトで来れる場所です。
西はイタリアに接し、アドリア海にも出れます、北はオーストリアに接しアルプスの気候が楽しめます。
東はハンガリーに接しているためトカイワインと同じ甘口の白ワインを作っています、南はクロアチアに接しています、小さな国ですがいろいろな気候がありそれぞれの気候に合ったワイン作りがされており地元の料理と合わされ豊かな食卓を楽しむことができます。
まさに現在山梨県が向かうべき姿がここにある気がしています。
私はここで行われているワイン審査会のお手伝いに来ています。
日本からもワインが出品されていることもあり、審査員として呼ばれています。
最近は日本のワインの評価も高く、高得点を取れるようになりました。
18日のお店に持ち込み可能であれば、スロベニアのワインを持っていきますので一緒に楽しみましょう。
お店がきまりましたら、お知らせください。よろしくお願いします。
木田茂樹
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そして、NYから一時帰国の一家や友人達含め3家族含む9名で
一緒に白金のGentil-Hで開けたワインのうち、2種をご紹介しましょう。
1. クラス・イズブラーニ・テラン’07(スロべニアの先駆者!ボス・リスジャック)
テランという葡萄品種で造られるワインは、有名な探険家マルコ・ポーロの著書にも既に登場していたとか・・・。
クラス地区の土壌は、テラロッサと呼ばれる酸化鉄を含んだ赤土に覆われている土壌。
ここで造られるテランワインは、濃い赤色を帯びており、特別にクラシュキ・テラン(Kraski Teran)と呼ばれています。
☆オスカー・コゴイ氏によって壺(アンフォラ)をイメージしデザインされたオシャレなボトルに入っています。
2. シポン 2000(スロベニアワイン業界の至宝!チュリン氏のスイートワイン)
ハンガリーが近づくと、やはりトカイワインの系譜に属する白のスイートワインが造られている。
そ のなかでもひときわ高く評価され、スロベニア国民から愛されているのが、スタンコ・チュリン氏のワイン。同国東部のハンガリーとの国境に近いコグ村でひた すらブドウにその持てる力を凝縮させることだけを考え、素朴なスイートワイン造りを続けているスロベニアワイン業界の至宝。
このチュリン氏は、第2次世界大戦中に国を占領したナチスに増産を要求されながら、量を増やせば質が落ちることをきらって抵抗し、あくまで良質ワインの生産を貫いた信念の人だそうです。
そんなチュリン氏の想いを受けたワインは、やさしく中に、彼の人柄をあらわすかの様なシッカリとした味わいでした。
特に、「TERAN」は国外へは出さない(美味しいから)というだけあって、お肉料理にもよく合い最初スパイシーな味わいを楽しみながらも、果実見豊かなとてもエレガントな赤でした。
今年のLdV秋の遠足は勝沼のルミエールワイナリーに決まりました。
現地でBBQも行う予定です。
どうぞ!木田社長の豊富なワインのお話を楽しみにご一緒致しましょう!
(*注)スロベニア
イ タリア、オーストリア、ハンガリー、クロアチアに国境を接するスロベニア。スロベニアのワイン造りの歴史は古く、最古の記録は紀元前6世紀とも言われ、 14世紀から第一次世界大戦まではオーストリア・ハプスブルグ帝国の長い支配のもとワインがはぐくまれたと言われています。
年間生産量は8万〜9万hℓ
小さな生産者が多いものの、第二次世界大戦後は『量より質』の傾向となり、味わい深いワインも造られています。
***事務局より***
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↓ 写真はアンフォラ型のボトル