現役ソムリエのコラム
パリ対決 at 恵比寿
2009/08/22 23:15 吉住久美
1. Stag‘s Leap Wine Cellars Cabernet Sauvignon 1973
2. Château Mouton-Rothschild 1970
3. Château Haut-Brion 1970
4. Château Montrose 1970
5. Ridge Cabernet Sauvignon Monte Bello 1971
1. Château Montelena Chardonnay 1973
2. Meurault-Charmes 1973 / Roulot
3. Chalone Vineyards Chardonnay 1974
4. Spring Mountain Chardonnay 1973
5. Beaune Clos des Mouches 1973 / Joseph Drouhin
上に記載されたワインの並びは、何を表していると思いますか?
ワインを勉強されている方なら、「フランスワインとアメリカワインが混在している」とお気づきになったと思います。
そして、上は赤ワイン、下は白ワインであることもお分かりになったのでは?
これは、1976年 アメリカの独立200年を記念してパリで行われたイベント『パリ・テイスティング』の結果なのです。
ワイン好きなら、垂涎ものの珠玉のフランスワインを押さえて高評価を得たのは、当時、まだ安価で無名だったカルフォルニアワインでした。
この結果はワイン界のフランス至上主義(フランスのみが高品質ワインを生産する国)を覆す、大事件となりました。
なぜなら、この当時のカルフォルニアワインは、一緒にテイスティングしたフランスワイン の1/4程の価格で取引されていたのですから。
このニュースは世界中に知れ渡り、カルフォルニアワインの評価を一気に高めたのです。
因みにこのテイスティングに選ばれた9人の審査員は、何れもフランスワイン業界を代表する人物でした。
予想外の結果を知った審査員たちは、狼狽し、採点表の回収を拒む者や点数を書き換えようとする者まで出たとか。
このテイスティングにより、「ワイン伝統国でなければ素晴しいワインは造れない」から
「伝統国でなくても素晴しいワインを作ることが出来る」という流れを生み出していったのです。
この夏開講のプレステージ講座ではこのような内容をカリキュラムに組みこんでいます。
実際にティスティングをしながら、世紀の対決を体験してみましょう!
***事務局より***
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↓ 写真はパリティスティングを報じたタイムス誌
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