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現役ソムリエのコラム


門司 健次郎氏「酒ひと話」〜日本酒海外に広め「侍」に〜

2009/08/22 23:14 畑久美子

この度、レコール・デュ・ヴァンでは10月31日(土)に日本酒1日講座を開催することが決定いたしました。
今回、特別講師としてお招きする外務省広報文化交流部長、酒サムライである、門司健次郎氏が読売新聞に連載されていた「酒ひと話」を5回にわたり掲載させていただきます。

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(2009年5月3日 読売新聞 朝刊より)

昨年10月に京都下鴨神社で「酒サムライ」の称号をいただいた。
ワインには騎士号があるが、日本酒なら侍だ。
この命名はとても気に入っている。

日本酒造組合中央会の蔵元若手から成る日本酒造青年協議会が、内外への日本酒の普及に貢献した者を対象に授与しており、これまでに外国人7人を含む17人叙任されている。
私の場合は、20年近く日本酒の海外普及に努めてきたことが認められたのではないかと思う。
と言っても、お酒を職業にしている訳ではなく、本業は外交官である。
勿論、日本酒だけではなく世界中のあらゆる酒を飲む。外国をよく知り、人々と親しくなるためには、その国の自慢の物に接するのが一番の近道だと思う。
幸 いなことに、どの国にも人々が愛してやまないお酒があり、どこに赴任しても楽しみが待っている。研修時代のフランスではワイン、豪州ではビールと当時世界 に進出し始めたワイン、ビールの博物館と呼ばれるベルギーでは独特のベルギービール、英国ではエールビールとシングルモルトといった具合だ。
あちらの人々は自国の酒を褒められると喜ぶ。こちらが詳しいとなると感心してくれる。
そこで、日本酒を勧めるのである。
日本酒との真の出会いは随分遅かった。学生時代の酒は専らウィスキーとブランデーであり、日本酒は、二日ならぬ三日酔いという悲惨な体験の後、長い間殆ど口にしなかったのだ。
1980年代も終わりになって新聞や雑誌で日本酒の記事を見かけることが増えた。
気になって口にしてみた日本酒は衝撃的だった。
まずフルーティーな香りに驚き、口に含むとコクがあってしかも爽やかである。
長い間敬遠してきた日本酒とは全く別物だ。日本にも世界に誇れる酒があった。
これこそ日本の「国酒」だと思わず叫びそうになった。外国の酒を飲みながら、日本には世界に自慢できる酒がないのではと悔しく思っていたから、ことさら感動したのだ。
それが当時市場に出回り始めた吟醸酒であった。
直ちに日本酒を求めて飲み歩くようになり、程なく大塚の銘酒居酒屋「串駒」にたどりついた。好きな店の名前を挙げると際限がないので控えるが、串駒は特別だ。
そこで多くの美酒銘酒と出会い、日本酒を海外に広めようと志したからだ。
まさに私の酒人生の原点である。
(外務省広報文化交流部長、酒サムライ)
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<特別講師 門司 健次郎 氏 プロフィール>
日本酒輸出協会顧問

外務省広報文化交流部長として、外国の国民、世論を対象とする文化外交を担当。
1952年福岡県生まれ。1975年東京大学卒業、同年外務省入省。国際協定課長、安全保障政策課長など専ら条約と安全保障を担当。
在 外は、フランス(研修)、オーストラリア、ベルギー、英国、EU代表部(ベルギー)に勤務。2003年より条約局審議官、防衛省防衛参事官を経て、 2007年3月より2008年7月まで駐イラク大使としてバグダッドに勤務。2008年7月より現職。酒サムライ、日本酒輸出協会顧問の肩書きも有し、日 本酒の海外普及にも尽力。

中国国際放送局Webサイトの掲載記事はコチラ
酒サムライ公式Webサイトはコチラ

***事務局より***

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