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現役ソムリエのコラム


ロゼワインの魅力 

2010/03/11 田辺公一


今日はロゼワインについて少し考えてみましょう。「ロゼワイン」と聞いてまず皆様が思い浮かべることは何でしょうか。私が思うにロゼワインに対する世間からの評価というのは、現代において、
あまり高くないのではと思っています。これが「ロゼシャンパン」となるとまた話は別という方も非常に多いとは思いますが
通常のスティルワインに分類されるロゼということで考えると、
レストランなどに出かけて食事をする際にも最初から、「シャンパン、白、赤 どれにする?」というような選択肢でスタートされる方がほとんどであるように思いますし、
レストランでサービスの仕事をしていると、やはり当たり前のようにこのような流れに
なってきているような気がします。
現にレストラン側も、特に「ロゼをグラスワインで」となると、常に準備している
ところは少ないようです。ではここでロゼワインの魅力について真剣に考えてみることにしましょう。まずはその色合い ロゼのシャンパンがそうであるようにとても華やかで
食事への期待感を抱かせてくれます。

透明なボトルに瓶詰めされているものが多いのも、その色合いを消費者の見ていただき
その魅力の一つをアピールするためというふうに聞きました。次にその味わいのバリエーションの豊富さです。
極めてドライなものから、甘さを感じるものまで幅広く、料理に合わせて考える上でも
これはとても重要な要素になります。まずアペリティフとしても素晴らしいことは言うまでもありませんが、料理との組み合わせとして、ロワール地方のロゼ・ダンジュを例にとると、
この柔らかな甘みとスパイシーなアフターフレーヴァーがあることから、
豚肉を使ったリエット、クリームを使った海老のグラタン、鶏のラズベリー風味の料理、
赤系果実を使ったシブーストなどのやわらかい軽やかなデザートやフルーツをゼリー寄せにしたようなデザートとの相性が良いと言われ、
また日本料理なら練り物やおでんの中のハンペンにも合うというふうに言われています。
しかもこのワインはとてもリーズナブルです。「料理の色合いとワインの色合いを関連させて考えるとうまくマリアージュする」
といいますが、そういった意味でも、はずせないのがこのロゼワインだと思います。ある有名なソムリエの方は、フランスでディナーに招待された際、コース料理の
全ての料理にロゼワインをそれぞれ合わせてマリアージュを体験したとおっしゃられて
いましたが、どれも素晴らしい組み合わせだったと伺っています。今後、ロゼワインをより理解し、親しんでいただくことで、食事とワインの組み合わせのバリエーションを広げ、より皆様の生活が豊かになっていくことを願います。

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コラム作者:プロフィール

田辺公一
日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
2005年 ロワールワインソムリエコンクールファイナリスト
2007年 キュヴェルイーズポメリーソムリエコンテスト優勝
神戸北野クラブ、ザ・リッツカールトン東京等、
ホテル、レストランでソムリエを務める
現在 恵比寿のワインスクール レコール デュ ヴァン講師


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